da-sein

 朝の読書はすこぶるはかどる。
 ハイデッガー『芸術作品の根源』(平凡社ライブラリー)に収められたハンス=ゲオルク・ガダマーによる「導入のために」から抜粋。

現存在投企の連関全体性としての世界は、人間的な現存在関心のあらゆる投企に先行して存在する地平(...)

(...)芸術作品の完結性と封鎖性とは、< 存在するものは、それ自体を現前の開けたところへと立てながら、同時にそのもの自体を留保する >というハイデッガー哲学の一般的テーゼのための担保であり、証拠なのである。作品が< それ自体の内に立つこと >は、同時に、存在するもの一般が< それ自体の内に立つこと >を保証しているのである。

 最低限これだけは理解していないとハイデッガーによる本文に到底太刀打ちできないようにおもえた。