Der morgen daemmerte "ersterbend".
朝は明け、黄昏のごとく。
- アーティスト: シャイー(リッカルド),マーラー,ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2004/11/21
- メディア: CD
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大植英次&ハノーファー北ドイツ放送響による同曲の演奏が、たしか僕が大学2回生のころ、つまり2010年の5月あたりに、大阪福島のザ・シンフォニーホールであった。予習せずに聴きにいくのもどうかとおもって、それで買ったのがこのCDだった。
当日の演奏のことは、あまり記憶にない。ただ、マーラーのサウンドに圧倒されたことだけは覚えている。
幸運にも、GM9 の生演奏にはその後、2回のチャンスに恵まれた。井上道義&KUSOによる第190回定期演奏会(京都コンサートホール、ザ・シンフォニーホール)である。僕は実に幸運で、そのどちらにも足を運ぶことができた。当時は残された学生生活のまさに黄昏のうちあって、非常に感傷的で、涙もろく、顔をぐしゃぐしゃにして、大ホールのなかで音楽に包まれていた。
この曲は、「死に絶えるよう」なコーダを根源として紡ぎだされる、実存音楽である。いまから思えば、井上道義&KUSOによる演奏は、まさにそういった生の狂騒を、えぐり出すように、鮮やかに、描いていた。彼らの「ディオニュソス祭」*1の伝統の為せる技だったのかもしれない。
かつて私は懸命に生きた。
事は、なにもかもがうまく運び、そして、ことごとく潰え去った。
今はもう、なにもなく、ひとり痛みだけが残った。
それでも、いま私は懸命に言おう、
なんじ、我が愛すべき生よ、
まっとうせよ、と。
フィナーレを聴きながら、いつもそんなことをおもう。
*1:演奏会パンフレットより