日曜日はブラームス

 数あるピアノ協奏曲のなかでも、このコンチェルトは特別だ。

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番/モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番/モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番

 はじめは曲の長さが気になる。なにしろ4楽章制で50分だ。でも、よく聴いて理解すればするほど、この曲ほど「よくつくられた」(well-composed)ピアノ協奏曲は他にはないと確信するのである。
 個々に魅力的な箇所も多くあるが、なによりはその大きな、どっしりとした構成である。もちろん山場は第3楽章のアンダンテだ。チェロとクラリネットと、そしてピアノの、穏やかな戯れ、穏やかな日曜の午後。
 ブラームスの魅力は人それぞれ。しかし様々な魅力がすべて凝縮された絶品、それは変ロ長調ピアノコンチェルトなのである。