明るみへ
高校時代からお世話になっている『新アクセス独和辞典』によれば、
- Licht 光、あかり
- Lichtung (森林の)樹のまばらな所、林間の空き地
だそうである。
ハイデガーのユニークな思索において、ではLichtungとは?
この Lichtung という語について、ハイデガーは次のように注釈している。「Lichtung[空け開け]というドイツ語は、言語史的には、フランス語のclairiere[森の中の空き地]の直訳借用語である。この語は Waldung[森林]とか Feldung[畑を区切ること]という、いっそう古い語にならって形作られた。Waldlichtung[森の中の空き地]は、いっそう古い言葉で Dickung[密生林]と名づけられた密生した森と区別して経験される。Lichtung という名詞は、lichten(薄くなる、透ける、まばらになる)という動詞にさかのぼる。licht(明るい、輝いた、まばらな、透けた)という形容詞は、leicht[軽い]という語と同じである。何かを空け開くということは、何かを軽くすること、何かを空けるとか開けるということを意味し、たとえば、森を或る箇所で木を伐って空けることを意味している。そのようにして生じた空いたところ[das Freie]が Lichtung である。」
- 作者: マルティンハイデッガー,Martin Heidegger,関口浩
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: 文庫
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