『今が一体いつなのかわからないし、ここがどこなのかもわからない。』

 生まれてからの18年間、ずっと過ごしてきた岡山の地にこうして舞い戻ってきて、いろいろおもうことはある。
 僕の大学4年間は、なんだったのだろう。もうそれは、ほとんど幻影のように霞む。梅田、石橋、箕面、三宮、西宮、難波、奈良、京都河原町... 地名にたゆたうイメージ、過去の記憶だけが拠りどころなのだ...
 それでも、たしかにぼくは19歳から23歳を、たしかに大阪の地で過ごした。それはあの部室の、あのノートの落書きを見ればわかる。過去は塗り替えられない!  では、未来は?



 僕はもっと過去に身をゆだねる。
 過去の記憶。

 夏の朝は、自転車だ。トライアスロン大会に向けて、毎年夏の早朝は自転車で山を登っていた。中学高校時代の夏休みってどんなだったろうか。その自転車以外のことはあまりよく覚えていない。基本的には部活と勉強だったかしら。

 夏の渋川海水浴場が、ほんとうに懐かしい。父と母と妹とよく行った。海で言えば、しまなみ海道近郊の瀬戸田というところにも毎年のように行っていたものだ。ログハウスに泊まる。昼は海、夕暮れが近づけばそのログハウスの前でバーベキューをする。夜になれば潮騒を聴きながら星空を眺める。鈴虫の声も聞こえていたっけ。


 アイスが、食べたい。

 炎天下歩いて帰ってきて、まずはアイスだった。あの、しょーもないチューペットが、至高であったことよ。





 悶々としながら、日々を過ごしましょう。