薄暗がりのなかで

 大学に、いまいちど通うとするなら、文学部の哲学科かなという気がする。ハイデガーニーチェ、カント、アリストテレス。読むべきものは芋づる式に現れてくるのだけれど、とてもじゃないが手に負えない。 
 芸術や文化にまつわる思想を体系的にみてゆかねばならない。表層を撫でていったってだめだ。深く取り組まねばならない。そのためには、やはり確固たる問題意識、社会にひらかれた視点がどうしても必要なのだ。それがないと焦点が定まらない。参照点なくして自分を位置取れない。

 僕は、どうしたいのだろう。今の文化現象をどうみてゆけばよいのだろう。どのような形でそれと、社会とに、立場を持って在ればよいのだろう。教養なき時代に、(それは自分も時代の子であることを認めることからしか問えないのだろうという気がする。)どのようにして現代の教養を定立することができるだろうか。