2012-01-01から1年間の記事一覧

にーつしぇ

ニーチェ『音楽の精髄からの悲劇の誕生』で有名な二項対立についての、非常にわかりやすいまとめ。 アポロン的―――――――――― ディオニュソス的夢幻――――――――――――― 陶酔 形象化―――――――――――― 一体化 個体化・秩序化――――――――― 狂騒 英知的―――――――――――― 情動的 理性…

ピュシス

A=B と Aが存在する とは、 互いに無関係である。 という結論に至るカントの弁証論(アンチノミー)が、実はすでに古典古代のギリシャすなわちプラトン・アリストテレスの思索によって準備されていた、というハイデガーの史観。 だからこそ現代のゆきづ…

薄暗がりのなかで

大学に、いまいちど通うとするなら、文学部の哲学科かなという気がする。ハイデガー、ニーチェ、カント、アリストテレス。読むべきものは芋づる式に現れてくるのだけれど、とてもじゃないが手に負えない。 芸術や文化にまつわる思想を体系的にみてゆかねばな…

「ある」ということの根源、謎。

ハイデガーによるテーゼの1つ。 あらゆる存在者のうちひとり人間だけが、存在の声によって呼びかけられ、という驚異のなかの驚異を経験する。 「存在の生起」あるいは「出来事」について、わかるようでまだわからない。

はいまーと

ハイデガー『ヒューマニズム書簡』(木田元訳)より すべてに先だってまずのは、存在である。思考は、人間の本質へのこの存在の関わりを仕上げるのである。思考がこの関わりをつくり出したり惹き起こしたりするわけではない。思考はこの関わりを、存在からゆ…

ぽいえーしす

アリストテレース『詩学』第9章より 詩人(作者)の仕事は、すでに起こったことを語ることだけではなく、起こりうることを、すなわち、ありそうな仕方で、あるいは必然的な仕方で起こる可能性のあることを、語ることである。なぜなら、歴史家と詩人は、韻文…

アリス と テレス

アリストテレース『詩学』第4章「詩作の起源とその発展について」より 一般に二つの原因が詩作を生み、しかもその原因のいずれもが人間の本性に根ざしているように思われる。(1)まず、再現(模倣)することは、子供のころから人間にそなわった自然な傾向で…

沈思

身体の痛みは人を孤独にする。まさにこの痛みは誰とも共有しえない。痛みからくる吐き気。漠然とした死の恐怖。実存の目覚め。 そんなときは、ヘッセなのです。 炎おまえがつまらぬものの間を踊って行こうと、 おまえの心が憂いに苦しみ傷つこうと、 おまえ…

C-dur

来週の木曜と金曜は大阪に行く。 そのことだけでもうこの一週間はバラ色なのである。

2012 2.3〜2.4 東京小旅行

書類を整理していたら東京旅行の手記メモが見つかった。 2.3 新幹線から富士山をみる東京駅 工事中であるブリジストンmuseum ルオーの『裁判所のキリスト』に強く感銘を受ける上野駅 人多し東京文化会館 いかにもという戦後建築西洋美術館 戦後モダニズム建…

震源はせめぎ合いのうちに

昨今のヨーロッパ信用不安のニュースで頻繁にとりあげられるギリシャ。西欧から遠く東、アジアとの境に近いこの国がなぜ「ヨーロッパ」のうちに組み入れられているのか。民主制と理性主義という思想を生みだしたギリシャこそヨーロッパの震源地なのである。…

木陰でひとやすみ

自分の専門領域をどのように確定していけばよいのかという問いは、同時に社会とどのような形で関わり合ってゆけばよいのかという極めて実存的な問題に直結する。それは極めてアクチュアルで、のっぴきならない問題なのである。

アールス・リベラーリス

受験国語で村上陽一郎の名前は何度か目にしてきた。 丸善にヘッセの小説、『車輪の下』だとか『デミアン』だとかを買いに行ったのだがなぜか実際にレジに持っていったのはこれだった。あらためて教養とは (新潮文庫)作者: 村上陽一郎出版社/メーカー: 新潮社…

Welt-en

大学浪人時代に出会った幾人かの作家たちの中で、久方ぶりに、いま再び僕の心をとらえているのは、ヘッセである。 静かに精神の幸福を願う祈りの詩にとても惹かれる。 寝ようとして一日のいとなみに疲れて、 私の切なる願いは 疲れた子どものように、 星月夜…

先達はあらまほしき事かな

なんであれ新しい領域に足を踏み入れるときはそれ相応の先達が必要である。そしてそれはベテランの先達であるに越したことはない。 なかなか手頃なハイデガー本が見つからなくて困っていたのだが、今日とある書店でようやく見つけた。ハイデガーの思想 (岩波…

da-sein

朝の読書はすこぶるはかどる。 ハイデッガー『芸術作品の根源』(平凡社ライブラリー)に収められたハンス=ゲオルク・ガダマーによる「導入のために」から抜粋。 現存在投企の連関全体性としての世界は、人間的な現存在関心のあらゆる投企に先行して存在す…

りるけ

『リルケ詩集』(新潮文庫)より 世界はあった 恋びとの顔のなかに世界はあった 恋びとの顔のなかに けれどもたちまち流れでて 世界はいま外に 世界は捉えるすべもないああ なぜ私は吸わなかったか それを掬いあげたとき あふれる恋びとの顔から 世界――私の…

心あたたまる孤独に寄り添って

モーツァルト晩年の作品の独特の憂欝感が好きだ。あっちへふらふら、こっちへふらふら、転調の波にたゆたい、メランコリーに身をゆだねる。モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集5アーティスト: ピリス(マリア=ジョアオ),モーツァルト出版社/メーカー: 日本コロム…

わっしー

鷲田清一の『悲鳴を上げる身体』より。かなり長く引用。 文化のにいるということの意味から考えることにしよう。 働く、食べる、話す…… 生活のどの局面をとっても、(物であれ他人であれ)じぶん以外のものにかかわることなくして私的な生活すらありえない。…

フクザツ

近いうち、『芸術作品の根源』にきちんと取り組みたい。芸術作品の根源 (平凡社ライブラリー)作者: マルティンハイデッガー,Martin Heidegger,関口浩出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/07/10メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 25回この商品を含むブログ …

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最近、再び第1稿に興味が湧いている。ブルックナー:交響曲第8番[1887年第1稿(ノーヴァク版)]アーティスト: ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団ヤング(シモーネ)出版社/メーカー: BMG JAPAN Inc.発売日: 2009/08/26メディア: CD クリック: 4回この商品を…

読書メモ

ざっと西洋近代の政治史や文化史、音楽史を復習した。山川の『詳説世界史研究』はやはり非常に良い。買ったのは高校時代だが読んだのは社会人になってからというこの体たらく。詳説世界史研究作者: 木下康彦,木村靖二,吉田寅出版社/メーカー: 山川出版社発売…

居場所

なにかしら書く場所が欲しくおもって。